[宅建試験過去問]R4年試験対応!わかりやすく解説します!~制限行為能力者~
過去の宅建試験問題を分野別にまとめました☆
制限行為能力者は今年(R4年)含む、過去10年間で4回出題されてます!難しい箇所ではないので取りこぼしがないよう
気張っていきましょ~!
漢字も読めないお馬鹿さんだったけど、独学2回目でなんとか宅建合格し、不動産屋さん歴11年目の寝子です。完全初心者~ほぼ初心者でも理解できるように分かりやすく解説していきます!
なるべくお金を掛けずにできる勉強方法とかも書いていく予定でーす
目次
【宅建過去問】令和4年・問3
問:制限行為能力者に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- 成年後見人は、後見監督人がいる場合には、後見監督人の同意を得なければ、成年被後見人の法律行為を取り消すことができない。
- 相続の放棄は相手方のない単独行為であるから、成年後見人が成年被後見人に代わってこれを行っても、利益相反行為となることはない。
- 成年後見人は成年被後見人の法定代理人である一方、保佐人は被保佐人の行為に対する同意権と取消権を有するが、代理権が付与されることはない。
- 令和4年4月1日からは、成年年齢が18歳となったため、18歳の者は、年齢を理由とする後見人の欠格事由に該当しない。
解答
●肢1:成年後見人は、後見監督人がいる場合には、後見監督人の同意を得なければ、成年被後見人の法律行為を取り消すことができない。→✖誤り
成年後見人は、後見監督人の同意を得なくても成年被後見人の法律行為を取り消すことができます。
取消しの際に後見監督人の同意が必要なのは、民法が定める重要行為に限られます(民法864条 第13条1項)
●肢2:相続の放棄は相手方のない単独行為であるから、成年後見人が成年被後見人に代わってこれを行っても、利益相反行為となることはない。→✖誤り
「利益相反行為」とは、当事者間で片方が利益になってもう片方が不利益になる行いのことを言います。
成年後見人と成年被後見人の両者が相続人と考えます!
成年被後見人が相続放棄を行うと、成年後見人の相続分が増えることになり、成年後見人は利益になって、成年被後見人は不利益になってしまいます。つまり利益は相反します。「代理」分野の自己契約や双方代理もこの「利益相反行為」のケースです。
つまり「利益相反行為となることはない」は誤りっ!
●肢3:成年後見人は成年被後見人の法定代理人である一方、保佐人は被保佐人の行為に対する同意権と取消権を有するが、代理権が付与されることはない。→✖誤り
成年被後見人の法定代理人は、成年後見人です!
そして保佐人が被保佐人の行為に対して持っている権限は↓
保佐人の権限
権限その1:取消権(とりけしけん)
権限その2:追認権(ついにんけん)
権限その3:同意権(どういけん)
(権限その4:代理権(だいりけん)*家庭裁判所の審判で付与された場合のみ )
家庭裁判所の審判で代理権が付与される場合もあるので誤りです
肢4:令和4年4月1日からは、成年年齢が18歳となったため、18歳の者は、年齢を理由とする後見人の欠格事由に該当しない。
→〇正解
未成年者は後見人になれませんが、18歳は成年年齢なので、後見人になることができます。
正解:4
【宅建過去問】令和3年12月・問3
問:成年後見人が、成年被後見人を代理して行う次に掲げる法律行為のうち、民法の規定によれば家庭裁判所の許可を得なければ代理して行うことができないものはどれか。
- 成年被後見人が所有する乗用車の第三者への売却
- 成年被後見人が所有する成年被後見人の居住の用に供する建物への第三者の抵当権の設定
- 成年被後見人が所有するオフィスビルへの第三者の抵当権の設定
- 成年被後見人が所有する倉庫についての第三者との賃貸借契約の解除
解答
民法 第859条の3【成年被後見人の居住用不動産の処分についての許可】
成年後見人は、成年被後見人に代わって、その居住の用に供する建物又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。
居住用の建物に該当し、家庭裁判所の許可が必要なのは、
肢2:成年被後見人が所有する成年被後見人の居住の用に供する建物への第三者の抵当権の設定です!
その他の行為は、家庭裁判所の許可なく代理することができます。
正解:2
【宅建過去問】令和3年10月・問5
※法改正のため1部問題を変えています。
問:次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- 18歳の者は未成年であるので、携帯電話サービスの契約や不動産の賃貸借契約を1人で締結することができない。
- 養育費は、子供が未成熟であって経済的に自立することを期待することができない期間を対象として支払われるものであるから、子供が成年に達したときは、当然に養育費の支払義務が終了する。
- 営業を許された未成年者が、その営業に関するか否かにかかわらず、第三者から法定代理人の同意なく負担付贈与を受けた場合には、法定代理人は当該行為を取り消すことができない。
- 意思能力を有しないときに行った不動産の売買契約は、後見開始の審判を受けているか否かにかかわらず効力を有しない。
解答
●肢1:18歳の者は未成年であるので、携帯電話サービスの契約や不動産の賃貸借契約を1人で締結することができない。
→ ✖誤り
民法第4条
年齢18歳をもって、成年とする。
令和4年4月1日以降成人年齢は18歳となりました!
●肢2:養育費は、子供が未成熟であって経済的に自立することを期待することができない期間を対象として支払われるものであるから、子供が成年に達したときは、当然に養育費の支払義務が終了する。
→ ✖誤り
養育費は「子供が未成熟であって経済的に自立することを期待することができない期間を対象として支払われるもの」なのは事実ですが、「成年に達すると当然に支払い義務が終了する」という決まりはありません。
浪人中や、病気で就労できない場合等、成年であっても養育義務が続くこともあります。
●肢3:営業を許された未成年者が、その営業に関するか否かにかかわらず、第三者から法定代理人の同意なく負担付贈与を受けた場合には、法定代理人は当該行為を取り消すことができない。→✖誤り
民法第6条(未成年者の営業の許可):一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。
営業を許された未成年者は、「その営業に関しては」成年者と同一の行為能力を有するので、付帯付贈与が営業に関することなら取り消すことはできません。
しかし、文章には「その営業に関するか否かにかかわらず」とあります。営業に関しない付帯付贈与なら他の未成年者と同様、単独で行うことは出来ず取り消すことができます。
※付帯付贈与とは贈与をうけるだけでなく負担を伴うもののことを言います(民法535条)
●肢4:意思能力を有しないときに行った不動産の売買契約は、後見開始の審判を受けているか否かにかかわらず効力を有しない。
→〇正しい
民法第3条の2:法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。
正解:4
【宅建過去問】平成28年・問2
問:制限行為能力者に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- 古着の仕入販売に関する営業を許された未成年者は、成年者と同一の行為能力を有するので、法定代理人の同意を得ないで、自己が居住するために建物を第三者から購入したとしても、その法定代理人は当該売買契約を取り消すことができない。
- 被保佐人が、不動産を売却する場合には、保佐人の同意が必要であるが、贈与の申し出を拒絶する場合には、保佐人の同意は不要である。
- 成年後見人が、成年被後見人に代わって、成年被後見人が居住している建物を売却する際、後見監督人がいる場合には、後見監督人の許可があれば足り、家庭裁判所の許可は不要である。
- 被補助人が、補助人の同意を得なければならない行為について、同意を得ていないにもかかわらず、詐術を用いて相手方に補助人の同意を得たと信じさせていたときは、被補助人は当該行為を取り消すことができない。
解答
●肢1:古着の仕入販売に関する営業を許された未成年者は、成年者と同一の行為能力を有するので、法定代理人の同意を得ないで、自己が居住するために建物を第三者から購入したとしても、その法定代理人は当該売買契約を取り消すことができない。
→ ✖誤り
民法第6条(未成年者の営業の許可):一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。
本肢の未成年者が「成年者と同一の行為能力を有する」のは「古着の仕入販売に関する営業」に関してだけです。
建物の購入は法定代理人の同意が必要ですので取り消すことができます。
●肢2:被保佐人が、不動産を売却する場合には、保佐人の同意が必要であるが、贈与の申し出を拒絶する場合には、保佐人の同意は不要である。→✖誤り
被保佐人が以下の重大な契約を行う場合は保佐人の同意が必要になります。
保佐人の同意を得ないとできない重大な契約[民法第13条]
⓵土地&建物の売買
②5年を超える土地の賃貸借・3年を超える建物の賃貸借
③増築改築等の契約・発注
④保証人になること・借金をすること
⑤高額商品の売買
⑥贈与をすること・贈与や遺贈を放棄すること
↑⓵と⑥が本肢の内容に該当しています。よって同意が必要です。
贈与の申し出を拒絶や放棄することは被保佐人の財産に不利益を及ぼす可能性があるので重大な契約と言えます!
●肢3:成年後見人が、成年被後見人に代わって、成年被後見人が居住している建物を売却する際、後見監督人がいる場合には、後見監督人の許可があれば足り、家庭裁判所の許可は不要である。→✖誤り
民法 第859条の3【成年被後見人の居住用不動産の処分についての許可】
成年後見人は、成年被後見人に代わって、その居住の用に供する建物又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。
後見監督人の許可ではありません!
●肢4:被補助人が、補助人の同意を得なければならない行為について、同意を得ていないにもかかわらず、詐術を用いて相手方に補助人の同意を得たと信じさせていたときは、被補助人は当該行為を取り消すことができない。→〇正しい
👓民法21条👓
制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。
正解:4
【宅建過去問】平成26年 問9
問:後見人制度に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 成年被後見人が第三者との間で建物の贈与を受ける契約をした場合には、成年後見人は、当該法律行為を取り消すことができない。
- 成年後見人が、成年被後見人に代わって、成年被後見人が居住している建物を売却する場合には、家庭裁判所の許可を要しない。
- 未成年後見人は、自ら後見する未成年者について、後見開始の審判を請求することはできない。
- 成年後見人は家庭裁判所が選任する者であるが、未成年後見人は必ずしも家庭裁判所が選任する者とは限らない。
解答
●肢1:成年被後見人が第三者との間で建物の贈与を受ける契約をした場合には、成年後見人は、当該法律行為を取り消すことができない。→✖誤り
👓民法第9条👓
【成年被後見人の法律行為】
成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。
成年被後見人が一人でできるのは、日用品の購入や日常生活に関する行為だけです!それ以外は取り消すことができます☆
●肢2:成年後見人が、成年被後見人に代わって、成年被後見人が居住している建物を売却する場合には、家庭裁判所の許可を要しない。→✖誤り
👓民法第859条の3👓
【成年被後見人の居住用不動産の処分についての許可】
成年後見人は、成年被後見人に代わって、その居住の用に供する建物又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。
●肢3:未成年後見人は、自ら後見する未成年者について、後見開始の審判を請求することはできない。→✖誤り
👓民法第7条👓
【後見開始の審判】
精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、4親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。
●肢4:成年後見人は家庭裁判所が選任する者であるが、未成年後見人は必ずしも家庭裁判所が選任する者とは限らない。
→〇正しい
民法843条1項:家庭裁判所は、後見開始の審判をするときは、職権で、成年後見人を選任する。
民法839条1項
1・未成年者に対して最後に親権を行う者は、遺言で、未成年後見人を指定することができる。ただし、管理権を有しない者は、この限りでない。
2・親権を行う父母の一方が管理権を有しないときは、他の一方は、前項の規定により未成年後見人の指定をすることができる。
民法840条1項:前条の規定により未成年後見人となるべき者がないときは、家庭裁判所は、未成年被後見人又はその親族その他の利害関係人の請求によって、未成年後見人を選任する。未成年後見人が欠けたときも、同様とする。
成年後見人は家庭裁判所が選任する者ですが、
未成年後見人は最後の親権者が遺言で指定することができます。
その指定がない場合等必要に応じて家庭裁判所が選任するので、絶対に家庭裁判所が選任する者とは限りません。
正解:4
【宅建過去問】平成22年試験 問1
問:制限行為能力者に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 土地を売却すると、土地の管理義務を免れることになるので、未成年者が土地を売却するに当たっては、その法定代理人の同意は必要ない。
- 成年後見人が、成年被後見人に代わって、成年被後見人が居住している建物を売却するためには家庭裁判所の許可が必要である。
- 被保佐人については、不動産を売却する場合だけではなく、日用品を購入する場合も、保佐人の同意が必要である。
- 被補助人が法律行為を行うためには、常に補助人の同意が必要である。
解答
●肢1:土地を売却すると、土地の管理義務を免れることになるので、未成年者が土地を売却するに当たっては、その法定代理人の同意は必要ない。→✖誤り
👓民法第5条👓
【未成年者の法律行為】
未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
管理義務を免れるって書いてるから〇やと思た・・
土地を売却すると、確かに管理義務は免れるけど、同時に土地の権利を失うことにもなるから単に権利を得、義務を免れる法律行為にはならないよ!
ここで言う単に権利を得、又は義務を免れる法律行為というのは、ただで物を貰ったり、借金を免れる契約のこととかのことを言うよ~。
●肢2:成年後見人が、成年被後見人に代わって、成年被後見人が居住している建物を売却するためには家庭裁判所の許可が必要であるる。→〇正しい
👓民法第859条の3👓
【成年被後見人の居住用不動産の処分についての許可】
成年後見人は、成年被後見人に代わって、その居住の用に供する建物又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。
●肢3:被保佐人については、不動産を売却する場合だけではなく、日用品を購入する場合も、保佐人の同意が必要である。
→✖誤り
保佐人の同意を得ないとできない重大な契約[民法第13条]
⓵土地&建物の売買
②5年を超える土地の賃貸借・3年を超える建物の賃貸借
③増築改築等の契約・発注
④保証人になること・借金をすること
⑤高額商品の売買
⑥贈与をすること・贈与や遺贈を放棄すること
↑以外のことは被保佐人一人ですることができます!
●肢4:被補助人が法律行為を行うためには、常に補助人の同意が必要である。→✖誤り
補助人の同意が必要な行為は、人によって違うので保佐人のときのように具体化されておらず、家庭裁判所の審判により決定されます。(民法第17条)
常に補助人の同意が必要ではありません。
正解:2
【宅建過去問】平成20年 問1
※法改正のため1部問題を変えています。
問:行為能力に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 成年被後見人が行った法律行為は、事理を弁識する能力がある状態で行われたものであっても、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りではない。
- 未成年者が、その法定代理人の同意を得ずに行った法律行為は、無効となる。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りではない。
- 精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者につき、四親等内の親族から補助開始の審判の請求があった場合、家庭裁判所はその事実が認められるときは、本人の同意がないときであっても同審判をすることができる。
- 被保佐人が、保佐人の同意又はこれに代わる家庭裁判所の許可を得ないでした土地の売却は、被保佐人が行為能力者であることを相手方に信じさせるため詐術を用いたときであっても、取り消すことができる。
解答
●肢1:成年被後見人が行った法律行為は、事理を弁識する能力がある状態で行われたものであっても、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りではない。
→〇正しい
👓民法第9条👓
【成年被後見人の法律行為】
成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。
●肢2:未成年者が、その法定代理人の同意を得ずに行った法律行為は、無効となる。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りではない。→✖誤り
👓民法第5条👓
【未成年者の法律行為】
1.未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2.前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
無効ではなく取消すことができます!
●肢3:精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者につき、四親等内の親族から補助開始の審判の請求があった場合、家庭裁判所はその事実が認められるときは、本人の同意がないときであっても同審判をすることができる。
→✖誤り
👓民法第15条👓
【補助開始の審判】
1 精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、4親等内の親族、後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人又は検察官の請求により、補助開始の審判をすることができる。ただし、第7条又は第11条本文に規定する原因がある者については、この限りでない。
2 本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには、本人の同意がなければならない。
本人の同意がいるから誤りです。
●肢4:被保佐人が、保佐人の同意又はこれに代わる家庭裁判所の許可を得ないでした土地の売却は、被保佐人が行為能力者であることを相手方に信じさせるため詐術を用いたときであっても、取り消すことができる。
→✖誤り
保佐人の同意を得ないとできない重大な契約[民法第13条]
⓵土地&建物の売買
②5年を超える土地の賃貸借・3年を超える建物の賃貸借
③増築改築等の契約・発注
④保証人になること・借金をすること
⑤高額商品の売買
⑥贈与をすること・贈与や遺贈を放棄すること
👓民法21条👓
制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。
保佐人の同意を得ずにした土地の売却は取り消すことができますが、被保佐人が詐術を用いたときは取り消せないので誤りです。
正解:1
【宅建過去問】平成17年 問1
※法改正のため1部問題を変えています。
問:自己所有の土地を売却するAの売買契約の相手方に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- 買主Bが被保佐人であり、保佐人の同意を得ずにAとの間で売買契約を締結した場合、当該売買契約は当初から無効である。
- 買主Cが意思無能力者であった場合、Cは、Aとの間で締結した売買契約を取り消せば、当該契約を無効にできる。
- 買主である団体Dが法律の規定に基づかずに成立した権利能力を有しない任意の団体であった場合、DがAとの間で売買契約を締結しても、当該土地の所有権はDに帰属しない。
- 買主である未成年者Eが土地の購入につき法定代理人の同意を得ていると嘘をつき、Aがそれを信じて契約締結した場合であっても、Eは未成年者であることを理由に当該売買契約を取り消すことができる。
解答
●肢1:買主Bが被保佐人であり、保佐人の同意を得ずにAとの間で売買契約を締結した場合、当該売買契約は当初から無効である。
→✖誤り
保佐人の同意を得ずに土地の売買契約をした場合契約を取り消すことができます。(民法第13条1項三)
取り消して初めて無効になるのであって「当初から無効」ではないので✖誤り。(民法第121条)
●肢2:買主Cが意思無能力者であった場合、Cは、Aとの間で締結した売買契約を取り消せば、当該契約を無効にできる。
→✖誤り
👓民法3条の2👓
法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。
意志無能力者が(意思能力を有しなかったときに)おこなった法律行為は取り消しをしなくても「当初から無効」なので誤りです。
無効→当初から何も効力がない。
取消→取り消したときに初めて当初から無効だったことになる。
●肢3:買主である団体Dが法律の規定に基づかずに成立した権利能力を有しない任意の団体であった場合、DがAとの間で売買契約を締結しても、当該土地の所有権はDに帰属しない。
→〇正しい
「法律の規定に基づかずに成立した権利能力を有しない任意団体」には権利能力がないので法律行為をすることができません。よって、売買契約の効果は一切生じません。
●肢4:買主である未成年者Eが土地の購入につき法定代理人の同意を得ていると嘘をつき、Aがそれを信じて契約締結した場合であっても、Eは未成年者であることを理由に当該売買契約を取り消すことができる。
→✖誤り
👓民法21条👓
制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。
正解:3
【宅建過去問】平成15年 問1
※法改正のため1部問題を変えています。
問:意思無能力者又は制限能力者に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- 意思能力を欠いている者が土地を売却する意思表示を行った場合、その親族が当該意思表示を取り消せば、取消しの時点から将来に向かって無効となる。
- 未成年者が土地を売却する意思表示を行った場合、親権者の同意の有無にかかわらず、親権者が当該意思表示を取り消せば、意思表示の時点に遡って無効となる。
- 成年被後見人が成年後見人の事前の同意を得て土地を売却する意思表示を行った場合、成年後見人は、当該意思表示を取り消すことができる。
- 被保佐人が保佐人の事前の同意を得て土地を売却する意思表示を行った場合、保佐人は、当該意思表示を取り消すことができる。
解答
●肢1:意思能力を欠いている者が土地を売却する意思表示を行った場合、その親族が当該意思表示を取り消せば、取消しの時点から将来に向かって無効となる。→✖誤り
👓民法3条の2👓
法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。
取消すことで無効になるのではなく、当初から無効です。
●肢2:未成年者が土地を売却する意思表示を行った場合、親権者の同意の有無にかかわらず、親権者が当該意思表示を取り消せば、意思表示の時点に遡って無効となる。→✖誤り
👓民法第5条👓
【未成年者の法律行為】
1.未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2.前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
親権者の同意を得て行った法律行為は取り消せません。
●肢3:成年被後見人が成年後見人の事前の同意を得て土地を売却する意思表示を行った場合、成年後見人は、当該意思表示を取り消すことができる。→〇正しい
👓民法第9条👓
【成年被後見人の法律行為】
成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。
未成年者の時と違って、成年被後見人には同意権がないので、「成年後見人の同意を得て土地を売却する意思表示を行った場合」でも、取り消すことができます。
●肢4:被保佐人が保佐人の事前の同意を得て土地を売却する意思表示を行った場合、保佐人は、当該意思表示を取り消すことができる。→✖誤り
保佐人の同意を得ないとできない重大な契約[民法第13条]
⓵土地&建物の売買
②5年を超える土地の賃貸借・3年を超える建物の賃貸借
③増築改築等の契約・発注
④保証人になること・借金をすること
⑤高額商品の売買
⑥贈与をすること・贈与や遺贈を放棄すること
土地の売却は保佐人の同意が必要ですが、保佐人の同意の上で行った意思表示は取り消せません。(民法第13条第4項)
正解:3