[宅建試験過去問] わかりやすく解説します!~報酬~
「分野別過去問」では過去5年分の宅建試験問題を分野別にまとめました。
なるべくわかりやすく解説していきます!
漢字も読めないお馬鹿さんだったけど、独学2回目でなんとか宅建合格し、不動産屋さん歴11年目の寝子です。完全初心者~ほぼ初心者でも理解できるように分かりやすく解説していきます!
なるべくお金を掛けずにできる勉強方法とかも書いていく予定でーす
目次
[宅建過去問]令和4年 問27
問:宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)が受け取ることができる報酬についての次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
- Aが、Bから売買の媒介を依頼され、Bからの特別の依頼に基づき、遠隔地への現地調査を実施した。その際、当該調査に要する特別の費用について、Bが負担することを事前に承諾していたので、Aは媒介報酬とは別に、当該調査に要した特別の費用相当額を受領することができる。
- Aが、居住用建物について、貸主Bから貸借の媒介を依頼され、この媒介が使用貸借に係るものである場合は、当該建物の通常の借賃をもとに報酬の限度額が定まるが、その算定に当たっては、不動産鑑定業者の鑑定評価を求めなければならない。
- Aが居住用建物の貸主B及び借主Cの双方から媒介の依頼を受けるに当たって、依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は、借賃の1か月分の0.55倍に相当する金額以内である。ただし、媒介の依頼を受けるに当たって、依頼者から承諾を得ている場合はこの限りではなく、双方から受けることのできる報酬の合計額は借賃の1か月分の1.1倍に相当する金額を超えてもよい。
- Aは、土地付建物について、売主Bから媒介を依頼され、代金300万円(消費税等相当額を含み、土地代金は80万円である。)で契約を成立させた。現地調査等の費用については、通常の売買の媒介に比べ5万円(消費税等相当額を含まない。)多く要する旨、Bに対して説明し、合意の上、媒介契約を締結した。この場合、AがBから受領できる報酬の限度額は20万200円である。
解答
肢1:Aが、Bから売買の媒介を依頼され、Bからの特別の依頼に基づき、遠隔地への現地調査を実施した。その際、当該調査に要する特別の費用について、Bが負担することを事前に承諾していたので、Aは媒介報酬とは別に、当該調査に要した特別の費用相当額を受領することができる。→正しい
宅建業者は、
①依頼者の特別の依頼に基づき行った遠隔地への現地調査に要した特別の費用で、
②その費用負担について事前に依頼者の承諾があれば、報酬とは別途に受領することができます。
肢2:Aが、居住用建物について、貸主Bから貸借の媒介を依頼され、この媒介が使用貸借に係るものである場合は、当該建物の通常の借賃をもとに報酬の限度額が定まるが、その算定に当たっては、不動産鑑定業者の鑑定評価を求めなければならない。
→誤り
通常の借賃の算定に当たって不動産鑑定業者の鑑定評価を求める必要はありません。
使用貸借(無償の貸し借り)の場合、借賃が存在しないので、この場合報酬の算定には、宅地建物の通常の借賃を基準にすることとされています。
↑その算定には、必要に応じて不動産鑑定業者の鑑定評価を求めることとされています。
義務付けられているわけではないから本肢の「鑑定評価を求めなければならない」という箇所が誤りです!
肢3:Aが居住用建物の貸主B及び借主Cの双方から媒介の依頼を受けるに当たって、依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は、借賃の1か月分の0.55倍に相当する金額以内である。ただし、媒介の依頼を受けるに当たって、依頼者から承諾を得ている場合はこの限りではなく、双方から受けることのできる報酬の合計額は借賃の1か月分の1.1倍に相当する金額を超えてもよい。→誤り
媒介の依頼を受けるに当たって依頼者から承諾を得ている場合は借賃1か月分の0.55倍を超えて受領することができます。
しかし、この場合でも、依頼者双方から受け取ることができる報酬の合計額は1か月分の借賃(+消費税)を超えてはいけません。
肢4:Aは、土地付建物について、売主Bから媒介を依頼され、代金300万円(消費税等相当額を含み、土地代金は80万円である。)で契約を成立させた。現地調査等の費用については、通常の売買の媒介に比べ5万円(消費税等相当額を含まない。)多く要する旨、Bに対して説明し、合意の上、媒介契約を締結した。この場合、AがBから受領できる報酬の限度額は20万200円である。→誤り
400万円以下の空家等の売買の場合、宅建業者は本来の報酬のほかに現地調査等の費用を受け取ることができます。
空家等の売買又は交換の媒介における特例
①400万円(税別)以下の宅地・建物の売買
②報酬と現地調査等の合計は18万円(税別)が限度額
③売主への説明と合意が必要
④通常より現地調査等の費用を要した場合に適用となる
⑤現地調査の費用は売主からのみ受け取る(買主からは受け取れない)
媒介の場合、現地調査等の費用は通常の報酬と併せて18万円(+消費税)が上限です。
つまり198,000円(18万円×1.1)が限度額なので、本肢の20万200円は計算するまでもなく誤りであることが分かります。
代理の場合は通常の媒介の報酬額+18万円(+消費税)が上限だよ。
念のため計算してみましょう。
●消費税抜きの建物代金:200万円(300万ー80万)÷1.1
●消費税抜きの代金の合計:280万円(200万+80万)
●通常の報酬額:13万2,000円(280万×4%+2万)
●加算できる現地調査費用:48,000円(18万ー13万2,000)
●報酬の限度額:198,000円(48,000+13万2,000)×1.1
正解:1
[宅建過去問] 令和3年12月 問31
問:宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)が貸主Bから建物の貸借の代理の依頼を受け、宅地建物取引業者C(消費税課税事業者)が借主Dから媒介の依頼を受け、BとDとの間で賃貸借契約を成立させた場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。なお、1か月分の借賃は8万円とし、借賃及び権利金(権利設定の対価として支払われる金銭であって返還されないものをいう。)には、消費税等相当額を含まないものとする。
ア.建物を住居として貸借する場合、Cは、媒介の依頼を受けるに当たってDから承諾を得ているときを除き、44,000円を超える報酬をDから受領することはできない。
イ.建物を店舗として貸借する場合、AがBから受領する報酬とCがDから受領する報酬の合計額は88,000円を超えてはならない。
ウ.建物を店舗として貸借する場合、200万円の権利金の授受があるときは、A及びCが受領できる報酬の額の合計は、110,000円を超えてはならない。
エ.Aは、Bから媒介報酬の限度額まで受領する他に、Bの依頼によらない通常の広告の料金に相当する額を別途受領することができる。
1.一つ
2.二つ
3.三つ
4.四つ
解答
媒介 | 代理 | |
居住用建物 | 依頼者の一方から借賃の半月分+消費税ずつ(合わせて1か月分の借賃額+消費税が限度) *例外:依頼者の承諾を得ている場合は内訳を変更できる。(合わせて1か月分の借賃額+消費税が限度) | 依頼者の双方から合計 1か月分の借賃額+消費税が限度 *内訳の制限はなし |
媒介・代理 | |
居住用建物以外 | 依頼者の双方から合計 1か月分の借賃額+消費税が限度*内訳の制限はなし ※例外 権利金の額を売買代金として計算 |
ア.建物を住居として貸借する場合、Cは、媒介の依頼を受けるに当たってDから承諾を得ているときを除き、44,000円を超える報酬をDから受領することはできない。→正しい
本肢は「居住用建物」で、Dから承諾を得ていない場合なので、CがDから受領できる報酬の限度額は以下の通りです。
「借賃8万円×0.5月×1.1=44,000円」
イ.建物を店舗として貸借する場合、AがBから受領する報酬とCがDから受領する報酬の合計額は88,000円を超えてはならない。
→正しい
「借賃8万円×1.1=88,000円」
ウ.建物を店舗として貸借する場合、200万円の権利金の授受があるときは、A及びCが受領できる報酬の額の合計は、110,000円を超えてはならない。→誤り
権利金の特則
居住用建物以外の賃貸借の場合で、権利金が支払われる場合は権利金の額を売買代金とみなし、報酬額を売買の計算方法で計算することができる。
売買価格 | 報酬の限度額 |
1⃣200万円以下 | 5% |
2⃣200万円~400万円以下 | 4%+2万 |
3⃣400万円超 | 3%+6万円 |
●AがBから受領できる限度額(代理)
22万円(権利金200万円×5%×1.1×2)
●CがDから受領できる限度額(媒介)
11万円(権利金200万円×5%×1.1)
●双方から受領できる限度額
22万円(権利金200万円×5%×1.1×2)
「借賃」と「権利金」で計算した金額の高い方が報酬の限度額になります。
●借賃で計算した場合の報酬限度額
88,000円(8万円×1.1)
よってA及びCが受領できる報酬額の限度額は22万円です。
エ.Aは、Bから媒介報酬の限度額まで受領する他に、Bの依頼によらない通常の広告の料金に相当する額を別途受領することができる。
→誤り
報酬の限度額を超えて受領することができるのは依頼者の依頼によっておこなう広告料金に限られます。
誤っている肢は2つなので
正解:2
[宅建過去問]令和3年10月試験 問44
問:宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)が受け取ることができる報酬額についての次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 居住の用に供する建物(1か月の借賃20万円。消費税等相当額を含まない。)の貸借であって100万円の権利金の授受があるものの媒介をする場合、依頼者双方から受領する報酬の合計額は11万円を超えてはならない。
- 宅地(代金1,000万円。消費税等相当額を含まない。)の売買について、売主から代理の依頼を受け、買主から媒介の依頼を受け、売買契約を成立させて買主から303,000円の報酬を受領する場合、売主からは489,000円を上限として報酬を受領することができる。
- 宅地(代金300万円。消費税等相当額を含まない。)の売買の媒介について、通常の媒介と比較して現地調査等の費用が6万円(消費税等相当額を含まない。)多く要した場合、依頼者双方から合計で44万円を上限として報酬を受領することができる。
- 店舗兼住宅(1か月の借賃20万円。消費税等相当額を含まない。)の貸借の媒介をする場合、依頼者の一方から受領する報酬は11万円を超えてはならない。
解答
肢1:居住の用に供する建物(1か月の借賃20万円。消費税等相当額を含まない。)の貸借であって100万円の権利金の授受があるものの媒介をする場合、依頼者双方から受領する報酬の合計額は11万円を超えてはならない。→誤り
依頼者双方から受領する報酬の合計額は、貸主・借主双方合わせて月額賃料の1か月分です。
22万円(借賃20万×1.1)まで受け取ることができます。
権利金を売買代金とみなして報酬限度額を計算できるのは居住用建物以外の賃貸借だから、ここでの権利金100万円はスルーだよ!
肢2:宅地(代金1,000万円。消費税等相当額を含まない。)の売買について、売主から代理の依頼を受け、買主から媒介の依頼を受け、売買契約を成立させて買主から303,000円の報酬を受領する場合、売主からは489,000円を上限として報酬を受領することができる。→正しい
売買価格 | 報酬の限度額 |
1⃣200万円以下 | 5% |
2⃣200万円~400万円以下 | 4%+2万 |
3⃣400万円超 | 3%+6万円 |
●買主から受け取れる報酬額(媒介):396,000円「(1,000万円×3%+6万)×1.1」
●売主から受け取れる報酬額(代理):792,000円(396,000×2)
●依頼者の双方から受け取れる報酬額:792,000円
792,000円-303,000円=489,000円
本肢の通りなので正解です。
肢3:宅地(代金300万円。消費税等相当額を含まない。)の売買の媒介について、通常の媒介と比較して現地調査等の費用が6万円(消費税等相当額を含まない。)多く要した場合、依頼者双方から合計で44万円を上限として報酬を受領することができる。→誤り
400万円以下の空家等の売買の場合、宅建業者は本来の報酬のほかに現地調査等の費用を受け取ることができます。
空家等の売買又は交換の媒介における特例
①400万円(税別)以下の宅地・建物の売買
②報酬と現地調査等の合計は18万円(税別)が限度額
③売主への説明と合意が必要
④通常より現地調査等の費用を要した場合に適用となる
⑤現地調査の費用は売主からのみ受け取る(買主からは受け取れない)
まず基本の報酬額の計算をします。
「300万×4%+2万円=14万円」
●売主から受け取れる限度額
②の通り18万円(税別)が報酬額と現地調査等の費用の限度額です。
(現地調査等にかかった費用の6万円のうち4万円を加算できます。*18万-14万=4万円)
●買主から受け取れる限度額
買主からは現地調査等の費用は受け取れないので
14万円(税別)が限度額
●依頼者双方から受け取れる限度額
352,000円(14万円+18万円×1.1)
肢4:店舗兼住宅(1か月の借賃20万円。消費税等相当額を含まない。)の貸借の媒介をする場合、依頼者の一方から受領する報酬は11万円を超えてはならない。→誤り
店舗兼住宅????
居住用建物とは「専ら居住の用に供する建物で事務所、店舗その他居住以外の用途を兼ねるものは含まれない」ものを指すから、それ以外のものは「居住用建物以外」として扱おう!
居住用建物以外の場合は、賃料1か月分と権利金のいずれか高い方を基準とします。本肢では権利金の記述はないので原則の計算方法に従います!
●依頼者双方から受け取れる限度額
22万円(20万×1.1)
依頼者の双方合わせて賃料の1か月分以内であればOK!
正解:2
[宅建過去問] 令和02年12月 問34
問:宅地建物取引業者(消費税課税事業者)が受けることができる報酬に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
- 宅地建物取引業者が受けることのできる報酬は、依頼者が承諾していたとしても、国土交通大臣の定める報酬額の上限を超えてはならない。
- 宅地建物取引業者は、その業務に関し、相手方に不当に高額の報酬を要求した場合、たとえ受領していなくても宅地建物取引業法違反となる。
- 宅地建物取引業者が、事業用建物の貸借(権利金の授受はないものとする。)の媒介に関する報酬について、依頼者の双方から受けることのできる報酬の合計額は、借賃(消費税等相当額を含まない。)1か月分の1.1倍に相当する金額が上限であり、貸主と借主の負担の割合については特段の規制はない。
- 宅地建物取引業者は、依頼者の依頼によらない広告の料金に相当する額を報酬額に合算する場合は、代理又は媒介に係る報酬の限度額を超える額の報酬を依頼者から受けることができる。
解答
肢1:宅地建物取引業者が受けることのできる報酬は、依頼者が承諾していたとしても、国土交通大臣の定める報酬額の上限を超えてはならない。→正しい
宅建業法46条1項
宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。
2 宅地建物取引業者は、前項の額をこえて報酬を受けてはならない。
依頼者が承諾していたとしてもダメです!
肢2:宅地建物取引業者は、その業務に関し、相手方に不当に高額の報酬を要求した場合、たとえ受領していなくても宅地建物取引業法違反となる。→正しい
「不当に高額の報酬を要求する」ことは禁止されています。たとえ実際に報酬を受領しなかったたとしても要求した時点で宅建業法違反です。(宅建業法47条2号)
肢3:宅地建物取引業者が、事業用建物の貸借(権利金の授受はないものとする。)の媒介に関する報酬について、依頼者の双方から受けることのできる報酬の合計額は、借賃(消費税等相当額を含まない。)1か月分の1.1倍に相当する金額が上限であり、貸主と借主の負担の割合については特段の規制はない。→正しい
権利金の授受がない居住用建物以外の賃貸について、報酬の上限は賃料1か月分(+消費税)です。
貸主と借主の負担の割合についての制限はありません。
肢4:宅地建物取引業者は、依頼者の依頼によらない広告の料金に相当する額を報酬額に合算する場合は、代理又は媒介に係る報酬の限度額を超える額の報酬を依頼者から受けることができる。→間違い
報酬の限度額を超えて受領することができるのは、依頼者の依頼によって行う広告料金に限られます。
本肢のような「依頼者の依頼によらない広告の料金」は報酬と別に請求することはできません。
正解:4
[宅建過去問]令和02年10月 問30
問:宅地建物取引業者A及び宅地建物取引業者B(ともに消費税課税事業者)が受領する報酬に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、借賃には消費税等相当額を含まないものとする。
- Aは売主から代理の依頼を、Bは買主から媒介の依頼を、それぞれ受けて、代金5,000万円の宅地の売買契約を成立させた場合、Aは売主から343万2,000円、Bは買主から171万6,000円、合計で514万8,000円の報酬を受けることができる。
- Aが単独で行う居住用建物の貸借の媒介に関して、Aが依頼者の一方から受けることができる報酬の上限額は、当該媒介の依頼者から報酬請求時までに承諾を得ている場合には、借賃の1.1か月分である。
- Aが単独で貸主と借主の双方から店舗用建物の貸借の媒介の依頼を受け、1か月の借賃25万円、権利金330万円(権利設定の対価として支払われるもので、返還されないものをいい、消費税等相当額を含む。)の賃貸借契約を成立させた場合、Aが依頼者の一方から受けることができる報酬の上限額は、30万8,000円である。
- Aが単独で行う事務所用建物の貸借の媒介に関し、Aが受ける報酬の合計額が借賃の1.1か月分以内であれば、Aは依頼者の双方からどのような割合で報酬を受けてもよく、また、依頼者の一方のみから報酬を受けることもできる。
解答
肢1:Aは売主から代理の依頼を、Bは買主から媒介の依頼を、それぞれ受けて、代金5,000万円の宅地の売買契約を成立させた場合、Aは売主から343万2,000円、Bは買主から171万6,000円、合計で514万8,000円の報酬を受けることができる。→誤り
宅地には消費税がかからないので売買代金5,000万円として報酬額を計算していきます。
売買価格 | 報酬の限度額 |
1⃣200万円以下 | 5% |
2⃣200万円~400万円以下 | 4%+2万 |
3⃣400万円超 | 3%+6万円 |
●宅建業者A(売主代理)の報酬限度額
5,000万×3%+6万=156万円
156万×1.1=171万6,000円
媒介の場合の2倍を受領することができるので、
171万6,00×2=343万2,00円
●宅建業者B(買主媒介)
5,000万×3%+6万=156万円
156万×1.1=171万6,000円
複数の宅建業者が1つの取引に関わっている場合も全員が受け取れる報酬の合計限度額は、媒介の場合の報酬限度額の2倍(代理の場合の報酬限度額)を超えることができません。
つまりAとBが受け取る報酬の合計を343万2,000円の範囲に収める必要があります。
肢2:Aが単独で行う居住用建物の貸借の媒介に関して、Aが依頼者の一方から受けることができる報酬の上限額は、当該媒介の依頼者から報酬請求時までに承諾を得ている場合には、借賃の1.1か月分である。→誤り
依頼者から承諾を得ていれば、その依頼者から借賃の1か月分(税込1.1か月分)を受領することができます。この承諾は「媒介の依頼を受けるに当たって」得る必要があります。
本肢では「報酬請求時までに」とあるので誤りです。
肢3:Aが単独で貸主と借主の双方から店舗用建物の貸借の媒介の依頼を受け、1か月の借賃25万円、権利金330万円(権利設定の対価として支払われるもので、返還されないものをいい、消費税等相当額を含む。)の賃貸借契約を成立させた場合、Aが依頼者の一方から受けることができる報酬の上限額は、30万8,000円である。→誤り
権利金の特則
居住用建物以外の賃貸借の場合で、権利金が支払われる場合は権利金の額を売買代金とみなし、報酬額を売買の計算方法で計算することができる。
「店舗用建物」とあるので「居住用建物以外」です。
権利金330万円は、税込の金額なので、税抜き価格300万(330万÷1.1)が売買代金となります。
300万✕4%+2万=14万円(税別)
14万✕1.1=15.4万円(税込)
これが、依頼者の一方から受領できる報酬の限度額です。
※賃料の1か月で計算した場合の報酬限度額:貸主、借主から合わせて275,000円(25万×1.1)
肢4:Aが単独で行う事務所用建物の貸借の媒介に関し、Aが受ける報酬の合計額が借賃の1.1か月分以内であれば、Aは依頼者の双方からどのような割合で報酬を受けてもよく、また、依頼者の一方のみから報酬を受けることもできる。→正しい。
記述の通りです!
正解:4
[宅建過去問]令和元年 問32
宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)が受け取ることのできる報酬額に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
- 宅地(代金200万円。消費税等相当額を含まない。)の売買の代理について、通常の売買の代理と比較して現地調査等の費用が8万円(消費税等相当額を含まない。)多く要した場合、売主Bと合意していた場合には、AはBから308,000円を上限として報酬を受領することができる。
- 事務所(1か月の借賃110万円。消費税等相当額を含む。)の貸借の媒介について、Aは依頼者の双方から合計で110万円を上限として報酬を受領することができる。
- 既存住宅の売買の媒介について、Aが売主Cに対して建物状況調査を実施する者をあっせんした場合、AはCから報酬とは別にあっせんに係る料金を受領することはできない。
- 宅地(代金200万円。消費税等相当額を含まない。)の売買の媒介について、通常の売買の媒介と比較して現地調査等の費用を多く要しない場合でも、売主Dと合意していた場合には、AはDから198,000円を報酬として受領することができる。
解答
肢1:宅地(代金200万円。消費税等相当額を含まない。)の売買の代理について、通常の売買の代理と比較して現地調査等の費用が8万円(消費税等相当額を含まない。)多く要した場合、売主Bと合意していた場合には、AはBから308,000円を上限として報酬を受領することができる。→正しい
400万円以下の空家等の売買の場合、宅建業者は本来の報酬のほかに現地調査等の費用を受け取ることができます(H30年改正)
●媒介の場合の報酬額:10万(200万×5%)
●空家等の売買に関する費用 報酬と現地調査等の合計は18万円(税別)が限度額なので、
18万(10万+8万)
●代理の報酬限度額
「媒介」の場合の報酬を2倍するので、
18万+10万=28万円
308,000円(28万×1.1)
現地調査等の費用を2倍することはできないから注意してね!
肢2:事務所(1か月の借賃110万円。消費税等相当額を含む。)の貸借の媒介について、Aは依頼者の双方から合計で110万円を上限として報酬を受領することができる。→正しい
貸借の媒介では、貸主・借主の双方から合わせて1か月分(+消費税)の報酬を受領することができます。
Aが依頼者の双方から受け取ることができる報酬額の上限は110万円です。
肢3:既存住宅の売買の媒介について、Aが売主Cに対して建物状況調査を実施する者をあっせんした場合、AはCから報酬とは別にあっせんに係る料金を受領することはできない。→正しい
報酬の限度額を超えて受領することができるのは、依頼者の依頼によって行う広告料金に限られます。
「建物状況調査を実施する者のあっせんに関わる料金」を報酬と別に請求することはできません。
肢4:宅地(代金200万円。消費税等相当額を含まない。)の売買の媒介について、通常の売買の媒介と比較して現地調査等の費用を多く要しない場合でも、売主Dと合意していた場合には、AはDから198,000円を報酬として受領することができる→誤り
現地調査費用を受領できるのは、「通常より現地調査費用等の費用を要した場合」です。
通常の売買の媒介と比較して現地調査等の費用を多く要しない場合は合意があっても現地調査等の費用を受け取ることはできません。
正解:4
[宅建過去問] H30年 問30
問:宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)は、Bが所有する建物について、B及びCから媒介の依頼を受け、Bを貸主、Cを借主とし、1か月分の借賃を10万円(消費税等相当額を含まない。)、CからBに支払われる権利金(権利設定の対価として支払われる金銭であって返還されないものであり、消費税等相当額を含まない。)を150万円とする定期建物賃貸借契約を成立させた。この場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 建物が店舗用である場合、Aは、B及びCの承諾を得たときは、B及びCの双方からそれぞれ11万円の報酬を受けることができる。
- 建物が居住用である場合、Aが受け取ることができる報酬の額は、CからBに支払われる権利金の額を売買に係る代金の額とみなして算出される16万5,000円が上限となる。
- 建物が店舗用である場合、Aは、Bからの依頼に基づくことなく広告をした場合でも、その広告が賃貸借契約の成立に寄与したときは、報酬とは別に、その広告料金に相当する額をBに請求することができる。
- 定期建物賃貸借契約の契約期間が終了した直後にAが依頼を受けてBC間の定期建物賃貸借契約の再契約を成立させた場合、Aが受け取る報酬については、宅地建物取引業法の規定が適用される。
解答
肢1:建物が店舗用である場合、Aは、B及びCの承諾を得たときは、B及びCの双方からそれぞれ11万円の報酬を受けることができる。→誤り
居住用建物以外の賃貸借なので、報酬額の上限は借賃の1か月分+消費税もしくは、権利金を売買代金として計算したいずれか金額の高い方となります。
●借賃1か月分+消費税:11万円(10万×1.1)
B,C併せて11万円を受け取れる。
●権利金を売買代金として計算:82,500円(150万×5%×1.1)
B,Cの双方それぞれから82,500円受け取れる。
双方からそれぞれ11万円ずつを受け取ることはできないので誤りです。
肢2:建物が居住用である場合、Aが受け取ることができる報酬の額は、CからBに支払われる権利金の額を売買に係る代金の額とみなして算出される16万5,000円が上限となる。→誤り
居住用建物である場合は、権利金を売買代金として報酬を計算することができません。
●借賃1か月分+消費税:11万円(10万×1.1)が報酬の限度額です。
肢3:建物が店舗用である場合、Aは、Bからの依頼に基づくことなく広告をした場合でも、その広告が賃貸借契約の成立に寄与したときは、報酬とは別に、その広告料金に相当する額をBに請求することができる。→誤り
報酬の限度額を超えて受領することができるのは、依頼者の依頼によって行う広告料金に限られます。
「依頼者の依頼によらない広告の料金」は報酬と別に請求することはできません。
肢4:定期建物賃貸借契約の契約期間が終了した直後にAが依頼を受けてBC間の定期建物賃貸借契約の再契約を成立させた場合、Aが受け取る報酬については、宅地建物取引業法の規定が適用される。→正しい
定期建物賃貸借契約では、そもそも更新がないため終了後に再契約をした場合は、新規契約となります。
報酬には宅建業法の規定が適用されます。
正解:4
[宅建過去問] H30年 問31
問:宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)が受け取ることのできる報酬の上限額に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 土地付中古住宅(代金500万円。消費税等相当額を含まない。)の売買について、Aが売主Bから媒介を依頼され、現地調査等の費用が通常の売買の媒介に比べ5万円(消費税等相当額を含まない。)多く要する場合、その旨をBに対し説明した上で、AがBから受け取ることができる報酬の上限額は286,000円である。
- 土地付中古住宅(代金300万円。消費税等相当額を含まない。)の売買について、Aが買主Cから媒介を依頼され、現地調査等の費用が通常の売買の媒介に比べ4万円(消費税等相当額を含まない。)多く要する場合、その旨をCに対し説明した上で、AがCから受け取ることができる報酬の上限額は198,000円である。
- 土地(代金350万円。消費税等相当額を含まない。)の売買について、Aが売主Dから媒介を依頼され、現地調査等の費用が通常の売買の媒介に比べ2万円(消費税等相当額を含まない。)多く要する場合、その旨をDに対し説明した上で、AがDから受け取ることができる報酬の上限額は198,000円である。
- 中古住宅(1か月分の借賃15万円。消費税等相当額を含まない。)の貸借について、Aが貸主Eから媒介を依頼され、現地調査等の費用が通常の貸借の媒介に比べ3万円(消費税等相当額を含まない。)多く要する場合、その旨をEに対し説明した上で、AがEから受け取ることができる報酬の上限額は198,000円である。
解答
400万円以下の空家等の売買の場合、宅建業者は本来の報酬のほかに現地調査等の費用を受け取ることができます。
特例が適用されるかは以下5つがポイントとなります。
空家等の売買又は交換の媒介における特例 5つのPOINT
①400万円(税別)以下の宅地・建物の売買
②報酬と現地調査等の合計は18万円(税別)が限度額
③売主への説明と合意が必要
④通常より現地調査等の費用を要した場合に適用となる
⑤現地調査の費用は売主からのみ受け取る(買主からは受け取れない)
肢1:土地付中古住宅(代金500万円。消費税等相当額を含まない。)の売買について、Aが売主Bから媒介を依頼され、現地調査等の費用が通常の売買の媒介に比べ5万円(消費税等相当額を含まない。)多く要する場合、その旨をBに対し説明した上で、AがBから受け取ることができる報酬の上限額は286,000円である。→誤り
代金が500万円であり、400万円を超えているので、空家等売買の特例を適用することはできません。
AがBから受け取れる報酬の上限額は、231,000円「(500万×3%+6万)×1.1」です。
肢2:土地付中古住宅(代金300万円。消費税等相当額を含まない。)の売買について、Aが買主Cから媒介を依頼され、現地調査等の費用が通常の売買の媒介に比べ4万円(消費税等相当額を含まない。)多く要する場合、その旨をCに対し説明した上で、AがCから受け取ることができる報酬の上限額は198,000円である。→誤り
表⑤の通り、空家等売買の特例が利用できるのは、売主から受領する報酬についてのみです。
Aが買主Cから受け取れる報酬の上限額は、154,000円「(300万×4%+2万)×1.1」です。
肢3:土地(代金350万円。消費税等相当額を含まない。)の売買について、Aが売主Dから媒介を依頼され、現地調査等の費用が通常の売買の媒介に比べ2万円(消費税等相当額を含まない。)多く要する場合、その旨をDに対し説明した上で、AがDから受け取ることができる報酬の上限額は198,000円である。→正しい
条件を満たしているので、空室等売買の特例を適用することができます。
Aが売主Dから受け取れる報酬の上限額は、198,000円「(350万×4%+2万)×1.1」なので適正な報酬額です。
肢4:中古住宅(1か月分の借賃15万円。消費税等相当額を含まない。)の貸借について、Aが貸主Eから媒介を依頼され、現地調査等の費用が通常の貸借の媒介に比べ3万円(消費税等相当額を含まない。)多く要する場合、その旨をEに対し説明した上で、AがEから受け取ることができる報酬の上限額は198,000円である。→誤り
表①の通り、賃貸の場合は空家等売買の特例は適用されません。
Aが貸主Eから受け取れる報酬の上限額は、165,000円(15万×1.1)です。
正解:3